生命医科学研究科生命医科学研究科

細胞ネットワーク科学研究室

細胞ネットワーク研究室

概要

細胞核の構造と動態や、生体膜から細胞核への情報の伝達機構の解析を通して、ゲノム構造とその機能制御を、ゲノム情報科学的もしくはシステムバイオロジー的側面から研究します。1分子計測からモデル生物の利用まで幅広いアプローチの研究を展開します。
網羅的に実験取得した遺伝子および遺伝子産物の情報を使い、生きている細胞の中で起こっているのと同じような物質の動きをコンピュータ上に再現しようとしています。このような方法を用いることで、細胞が暴走して癌になったり、あるいは、細胞が分化していく仕組みを調べたりすることができます。このような仕組みがわかると、病気の治療法や薬を合理的に見出すことも可能になります。今後発展することが期待されている遺伝子医療にも大きく貢献できる研究分野です。ラボは実験系とコンピュータ系の混合チームで、好きな方の研究を選ぶことが出来ます。

スタッフ

大学院客員教授 今本 尚子(いまもと なおこ)

<略歴>
大阪大学医学部博士課程修了、大阪大学医学部助手、国立遺伝学研究所 助教授を経て、2002年 理化学研究所主任研究員に着任(現在に至る)。
<メッセージ>
真核生物の遺伝子を包含する細胞核は、“細胞の司令塔”ともいうべき細胞内のオルガネラです。細胞核を対象とした研究から細胞が生きる仕組みの面白さを一緒に味わってみませんか?

大学院客員准教授 福山 英啓(ふくやま ひでひろ)

<略歴>
大阪大学大学院医学研究科 博士(医科学)。大阪大学医学部助手、アメリカ、ロックフェラー大学(2002-2006)、フランス、ストラスブール大学分子生物学研究所(2006-2013)研究員を経て、現在、理化学研究所•統合生命医科学研究センター、およびフランス国⽴保健医学研究所(INSERM) 所属。
<メッセージ>
自分たちで、注意深く見つけた現象を、分子レベルで現象のメカニズムを解き明かし、解明したことを社会に貢献するという研究の醍醐味を一緒に実感できればと思います。

研究内容

今本尚子

細胞核は高等真核生物の巨大なゲノムを安定に保持する一方で、同じゲノム情報から機能の異なる分化細胞をつくりだす仕組みを兼ね備えた動的な細胞内器官である。当研究室では、細胞核の機能制御の要となる核-細胞質間の情報分子の交換の仕組み、細胞核の機能を支える細胞核構築の仕組み、並びにゲノムを次世代に正確に継承するための分子装置の解析を通して、細胞核の機能と構造の関係を明らかにしようとしている。分子細胞生物学的手法、生化学的手法、イメージング手法、生物物理学的手法を取り入れながら、多角的な解析を行っている。細胞レベルで得られた基礎的研究が生み出す知見を、癌や遺伝病などのヒト疾患や、分化・発生のようなより高次レベルの生命現象の理解へと結びつけることを目標としている。

福山 英啓

ウイルスなどの病原体に対する生体防御は、様々な生物に共通する免疫機構です。分子、および細胞間でのネットワークが、最終的に生体防御免疫反応という形で機能します。私たちの研究室では、生体防御免疫反応をシステムと捉え、次世代のワクチン開発をゴールに見据え、研究を進めています。特に、ワクチン効果を左右する記憶免疫細胞に着目し、より良質な記憶免疫細胞を誘導するメカニズムを明らかにしていきます。

主要文献(Selected Publications)

Kimura, M., Kose, S., Okumura, N., Imai, K., Furuta, M., Sakiyama, N., Tomii, K., Horton, P., Takao, T., Imamoto, N. (2013). Identification of cargo proteins specific for the nucleocytoplasmic transport carrier transportin by combination of an in vitro transport system and stable isotope labeling by amino acids in cell culture (SILAC)-based quantitative proteomics. Mol. Cell. Proteomics 12, 145-157.

Kose, S., Furuta, M., Imamoto, N. (2012). Hikeshi, a nuclear import carrier for Hsp70s, protects cells from heat-shock induced nuclear damage. Cell 149, 578-589.

Maeshima, K., Iino, H., Hihara, S., Funakoshi, T., Watanabe, A., Nishimura, M., Nakatomi, R., Yahata, K., Imamoto, F., Hashikawa, T., Yokota, H., Imamoto, N. (2010). Nuclear pore formation but not nuclear growth is governed by cyclin-dependent kinases (Cdks) during interphase. Nat. Struct. Mol. Biol. 17, 1065-1071.

Shinnakasu, R., Inoue, T., Kometani, K., Moriyama, S., Adachi, Y., Nakayama, M., Takahashi, Y., Fukuyama, H., Okada, T., and Kurosaki, T. (2016). Regulated selection of germinal-center cells into the memory B cell compartment. Nature immunology 17, 861-869.

Fukuyama, H., Verdier, Y., Guan, Y., Makino-Okamura, C., Shilova, V., Liu, X., Maksoud, E., Matsubayashi, J., Haddad, I., Spirohn, K., Ono, K., Hetru, C., Rossier, J., Ideker, T., Boutros, M., Vinh, J., and Hoffmann, J.A. *(2013). Landscape of protein-protein interactions in Drosophila immune deficiency signaling during bacterial challenge. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 110, 10717-10722.

Fukuyama, H., Nimmerjahn, F., and Ravetch, J.V. (2005). The inhibitory Fcgamma receptor modulates autoimmunity by limiting the accumulation of immunoglobulin G+ anti-DNA plasma cells. Nature immunology 6, 99-106.

Kawane, K.*, Fukuyama, H.*, Kondoh, G., Takeda, J., Ohsawa, Y., Uchiyama, Y., and Nagata, S. (2001). Requirement of DNase II for definitive erythropoiesis in the mouse fetal liver. Science 292, 1546-1549.

研究部門