生命医科学研究科生命医科学研究科

環境要因解析研究室

環境要因解析研究室

概要

ヒトは食料や水、大気など環境資源に依存して生活を営んでおり、ヒトの健康維持は食生活や運動、さらには衛生状態など環境要因に強く影響されます。昨今の微生物群集や無機・有機物群の一斉分析と機械学習等のデータサイエンス技術の進展は著しく発展しており、刻々と変動する環境要因からヒトと地球の健康(恒常性)を評価するシステム生物学的手法を構築します。

スタッフ

大学院客員教授 菊地 淳(きくち じゅん)/Jun Kikuchi

<略歴>
博士(工学)(1998年東京農工大学)、JST・ERATO 研究員、理化学研究所ゲノム科学総合研究センター、植物科学研究センター・ユニットリーダーおよびチームリーダーを経て2013年4月より環境資源科学研究センター・チームリーダーならびに横浜市立大学大学院生命医科学研究科大学院客員教授。
<メッセージ>
ヒトは学習や運動といった環境要因で逞しく成長し、かつ周辺環境を整えることで持続的な生活環境を維持する術を見出してきました。つまり環境要因で自らの人生を切り拓けるからこそ、指導教員や室員スタッフとの切磋琢磨が重要です。
幅広い大学・専攻科のバックグラウンドを有する人材を募ります。

大学院客員准教授 守屋 繁春(もりや しげはる)/Shigeharu Moriya

<略歴>
理化学研究所 工藤環境分子生物学研究室 研究員、守屋バイオスフェア科学創成研究ユニット・ユニットリーダー、分子情報生命科学特別ユニット・専任研究員を経て、環境資源科学研究センター・専任研究員。2013年4月より横浜市立大学大学院生命医科学研究科大学院大学院客員准教授。
<メッセージ>
地球上に棲息する多くの生物は、複数の生物間での共生という戦略を用いて熾烈な生存競争を生き残っている。その Zen and the artを追求し,それに習った持続可能社会実現のための基幹技術開発を指向する。

大学院客員研究員 伊達康博(だて やすひろ)/Yasuhiro Date

<略歴>
理化学研究所植物科学研究センターおよび環境資源科学研究センター・特別研究員を経て、2015年4月より環境資源科学研究センター・研究員ならびに横浜市立大学大学院生命医科学研究科大学院客員研究員。
<メッセージ>
地球・環境・生命システムにおける複雑な相互作用の“集大成”と、そのシステムを構成する一つ一つの“歯車”を統合的・総合的に“視る”ための技術開発を目指している。

研究内容

1)複雑分子系への解析技術高度化およびヒトと環境の恒常性評価
 分子複雑系への解析技術高度化およびヒトと環境の恒常性評価
 ヒトは大自然の営みから食物を摂取して代謝し、環境微生物群の脅威と接し、かつ共生しながら恒常性を維持している。こうした分子複雑系の変遷は各種一斉分析と情報科学的手法の高度化により、特徴抽出が可能となっている。近年急速に進展するIoT/ビッグデータAI関連解析技術を導入し、分子複雑系に迫る。
(2)共生系の生物学と環境中からの有用遺伝子資源の探索
地球上の生物は、多種多様な共生関係にある。しかし、それらの生物間相互作用のほとんどは、難培養性とモデル生物・生物学の陰に隠れて充分に研究されていない。我々はその広大な未踏領域へ、従来の要素分解的な生物学とは異なる各種オミックス解析的手法を基礎にして踏み込むことで、基礎・応用の両面から全く新しい生物学を確立していく。

(3)複雑生態系の共代謝解析技術高度化と物質循環・健康評価への応用
 土壌や深海のような環境生態系や腸内フローラのような共生生態系では、様々な生物・微生物間における複雑な生物学的・化学的相互作用を通じた共代謝反応が生じており、地球化学的物質循環や宿主の恒常性維持に貢献している。これらの複雑な生態反応場を紐解く共代謝解析技術の高度化とその技術を応用した環境評価技術および健康評価技術の確立を目指している。

主要文献(Selected Publications)

1) Komatsu, T., Ohishi, R., Shino, A. and Kikuchi, J. “Structure and metabolic flow analysis of molecular complexity in 13C-labeled tree by 2D and 3D-NMR” Angew. Chem. Int. Ed. 55, 6000-6003 (2016).
2) Ito, K., Tsutsumi, Y., Date, Y. and Kikuchi, J. “Fragment Assembly Approach Based on Graph/Network Theory with Quantum Chemistry Verifications for Assigning Multidimensional NMR Signals in Metabolite Mixtures” ACS Chem. Biol. 11, 1030-1038 (2016).
3) Ogura, T., Date, Y., Masukujane, M., Coetzee, T., Akashi, K. and Kikuchi, J.“Improvement of physical, chemical, and biological properties of aridisol from Botswana by incorporation of torrefied biomass” Sci. Rep. 6, 28011 (2016).
4) Komatsu, T., Kobayashi, T., Hatanaka, M. and Kikuchi, J. “Profiling planktonic biomass using element-specific, multicomponent nuclear magnetic resonance spectroscopy” Environ. Sci. Technol. 49, 7056-7062 (2015).
5) Yoshida, S., Date, Y. Akama, M. and Kikuchi, J. “Comparative metabolomic and ionomic approach for abundant fishes in estuarine environments of Japan” Sci. Rep. 4, 7005 (2014).
6) Tokuda, T., Tsuboi, Y., Kihara, K. Saito, S. Moriya, S. Lo, N. and Kikuchi, J. “Metabolomic profiling of 13C-cellulose digestion in a lower termite: insights into symbiont function” Proc. Royal Soc. B. 281, 20140990 (2014).
7) Ogawa, D., Moriya, S., Tsuboi, Y., Date, Y., Prieto, A., Bapista, G., Yamane, T. and Kikuchi, J. “Biogeochemical typing of paddy field by a data-driven approach revealing sub-systems within a complex environment –A pipeline to filtrate, organize and frame massive dataset from multi-omics analyses” PLoS ONE 9, e110723 (2014).







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