生命医科学研究科生命医科学研究科

創薬分子科学研究室

創薬分子科学研究室


 

概要

生命科学・創薬分野の課題を解決する次世代バイオテクノロジーを開発することで、各種疾患に関連した生命現象を制御する新たな化合物/タンパク質の創成に取り組んでいます(和田)。さらに、クライオ電子顕微鏡による生理条件に近い構造解析を利用して、生命現象の理解、創薬研究の支援を目指しています(重松)。

スタッフ

大学院客員准教授 和田 章(わだ あきら)

<略歴>
1999年:日本学術振興会 特別研究員DC
2001年:名古屋工業大学大学院 博士後期課程 修了(工学博士)
2001年:日本学術振興会 特別研究員PD
2004年:産業技術総合研究所 特別研究員
2006年:理化学研究所 中央研究所 研究員
2009年:科学技術振興機構 さきがけ研究員
2010年:理化学研究所 基幹研究所 専任研究員
2013年:理化学研究所 長田抗生物質研究室 専任研究員
2013年:理化学研究所 環境資源科学研究センター 上級研究員
2013年:横浜市立大学大学院 生命医科学研究科 客員准教授
2015年:理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 専任研究員

大学院客員准教授 重松 秀樹(しげまつ ひでき)

<略歴>
1999年:東京工業大学大学院 博士後期課程 単位取得退学 
1999年:東京工業大学大学院 博士後期課程 (博士(工学))
1999年:通商産業省工業技術員生命工学工業技術研究所 流動促進研究員
2000年:キリンビール株式会社医薬探索研究所 特別研究員
2002年:科学技術事業団 CREST研究員
2003年:東京工業大学生命理工学部 COE教員(助手)
2005年:自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター 専門研究員
2010年:米国エール大学医学部 Associate Research Scientist
2012年:米国エール大学医学部 Manager of cryoEM(兼任)
2014年:理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 上級研究員
2016年:横浜市立大学大学院 生命医科学研究科 大学院客員准教授

研究内容

和田 章

あらゆる細胞活動は、様々なタンパク質のネットワーク構造を階層システムとして利用することで、精密かつロバストに制御されています。つまり、そのネットワークの中から、特定のタンパク質の機能をピンポイントに制御する“生物活性分子”を探索する化学生物学(ケミカルバイオロジー)は、次世代の医薬・農薬を開発する創薬研究の推進において必要不可欠です。当研究室では、生命分子の誕生と進化の原理を試験管内で再現・利用することで、目的の生物機能だけを制御する人工ペプチドを創出したり(図1)、創薬候補分子と結合する未知タンパク質を同定して、それらの作用機構を解明するケミカルバイオロジー研究を展開しています。そして、新たな医薬品開発を支援する創薬基盤技術のスタンダードを確立することを目指しています。
 

重松 秀樹

 生体機能を担う分子複合体は、その複雑な機能を精密にデザインされた構造を目的に応じて変化させて実現します。生体分子の構造を詳細に解析する手法としてはX線結晶構造解析やNMRが精力的に用いられてきましたが、近年、クライオ電子顕微鏡による解析に注目が集まっています。生体分子複合体を氷に閉じ込めた状態の試料を、透過型電子顕微鏡により観察、複合体一つ一つを可視化しその立体構造を決定するこの手法は、結晶化しにくい、あるいは大きな複合体の構造解析手法として期待されています。当研究室では、高分解能構造解析による複合体構造決定、あるいは高分解能構造解析の難しい動的な構造を持つ試料の構造解析を目指しています。創薬候補分子と生体分子複合体の高分解能構造、あるいは複合体形成に伴う動的構造を解釈することによる創薬支援を検討するとともに、生理機能を支える生体分子の構造・機能連関について研究を展開します(図2)。

主要文献(Selected Publications)

‣Proteomic profiling reveals that collismycin A is an iron chelator. M. Kawatani, M. Muroi, A. Wada, G. Inoue, Y. Futamura, H. Aono, K. Shimizu, T. Shimizu,Y. Igarashi, N. Takahashi-Ando, H. Osada, Sci. Rep., 6, 38385 (2016).
‣Ribosome display and photo-cross-linking techniques for in vitro identification of target proteins of bioactive small molecules.
A. Wada, S. Hara, H. Osada, Anal. Chem., 86, 6768-6773 (2014).
‣Structural basis of Motile and MT depolymerizing functions in kinesin-8 KIF19A. D. Wang, R. Nitta, M. Morikawa, H. Yajima, S. Inoue, H. Shigematsu, M. Kikkawa, N. Hirokawa, eLife, 5, 2728 (2016).
‣Structural Basis of Backwards Motion in Kinesin-1-Kinesin-14 Chimera: Implication for Kinesin-14 Motility. #M. Yamagishi, #H. Shigematsu, T. Yokoyama, M. Kikkawa, M. Sugawa, M. Aoki, M. Shirouzu, J. Yajima, R. Nitta, Structure, 24, 1322–1334 (2016).






研究部門