生命医科学研究科生命医科学研究科

バイオイメージング研究室

バイオイメージング研究室

概要

蛍光および化学発光を用いるバイオイメージング技術の開発と、開発した技術を用いた生物現象の時空間制御に関する新知見を得るための研究を行っています。また免疫システムにおける細胞間コミュニケーションを、生きた組織中で可視化することにより、免疫応答の制御メカニズムを理解することを目指しています。

スタッフ

大学院客員教授 宮脇 敦史(みやわき あつし)

<略歴>
大阪大学医学部大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。平成11年より独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センターチームリーダー。現在は副センター長を兼務。2012年4月より横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科客員教授。

大学院客員准教授 岡田 峰陽(おかだ たかはる)

<略歴>
総合研究大学院大学生命科学研究科博士後期課程修了(1999年)。学術博士。2008年より理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターユニットリーダー。2013年より理化学研究所統合生命医科学研究センターチームリーダー。2013年から横浜市立大学大学院客員准教授。
<メッセージ>
イメージングを使って、免疫のダイナミズムを研究しています。誰も観たことのなかったものを、自分(と、もしかすると世界の数人)だけが観ている状況というのは、本当にエキサイティングなものです。そういった状況を経て得たものを、出来るだけ自分の納得のいく形で、社会に還元したいと思っています。

研究内容

宮脇敦史

今生物学はポストゲノム時代に突入したと言われています。生体分子が生きた細胞の中でどのように振舞うかを可視化することが求められています。生体分子の示す動的な振る舞いは、細胞の増殖、分化、ガン化の機序を知る上で重要です。ポストゲノムプロジェクトを云々するに、より実際的な意味において、細胞内シグナル伝達系を記述するための同時観測可能なパラメータをどんどん増やす試みが重要です。いろいろな場面において細胞の心をつかむためのスパイ分子を我々は開発しています。我々はまた、新しい‘光るタンパク質’を求めて、様々な生き物からのクローニングを行っています。狙いのひとつは、蛍光などの様々な物理特性を引き出して、新しいスタイルのバイオイメージング技術を開発することです。光るタンパク質の発色団を彷徨う電子の心をつかむための研究を推し進めます。

岡田 峰陽

免疫・炎症反応は、免疫細胞やそれを取り巻く上皮、脈管、神経、線維芽細胞などの多様な細胞間のコミュニケーションによって制御されています。 私たちはこの細胞間相互作用を生きた組織の中で可視化し、それによって免疫・炎症反応がどのように制御されているかを理解しようとしています。ダイナミックな細胞間コミュニケーションを可視化するために、二光子励起レーザー顕微鏡と呼ばれる顕微鏡を用いたイメージングを行っています。 イメージングを用いた研究を起点として、炎症性疾患の治療に役立つような発見をすることを目指しています。

主要文献(Selected Publications)

Hama H, Hioki H, Namiki K, Hoshida T, Kurokawa H, Ishidate F, Kaneko T, Akagi T, Saito T, Saido T, Miyawaki A. (2015) ScaleS: an optical clearing palette for biological imaging. Nat. Neurosci., 18 (10): 1518-1529.

Kumagai A, Ando R, Miyatake H, Greimel P, Kobayashi T, Hirabayashi Y, Shimogori T, Miyawaki A. (2013) A Bilirubin-Inducible Fluorescent Protein from Eel Muscle. Cell, 153 (7): 1602-1611.

Kitano M., Yamazaki C., Takumi A., Ikeno T., Hemmi H., Takahashi N., Shimizu K., Fraser S.E., Hoshino K., Kaisho T., Okada T. (2016) Imaging of the cross-presenting dendritic cell subsets in the skin-draining lymph node. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 113 (4):1044-1049.

Kitano M., Yamazaki C., Takumi A., Ikeno T., Hemmi H., Takahashi N., Shimizu K., Fraser S.E., Hoshino K., Kaisho T., Okada T. (2016) Imaging of the cross-presenting dendritic cell subsets in the skin-draining lymph node. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 113 (4):1044-1049.

Moriyama S., Takahashi N., Green J.A., Hori S., Kubo M., Cyster J.G., Okada T. (2014) Sphingosine-1-phosphate receptor 2 is critical for follicular helper T cell retention in germinal centers. J. Exp. Med. 211 (7): 297-305.

‣Kitano M, Moriyama S, Ando Y, Hikida M, Mori Y, Kurosaki T, Okada T (2011) Bcl6 protein expression shapes pre-germinal center B cell dynamics and follicular helper T cell heterogeneity. Immunity. 34(6):961-972.

研究部門