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指紋認証のように食品と体の個性を捉える(7月11日)

プログラム担当研究室

  • 生命分析科学研究室

ヒトの健康は様々な環境要因の影響を強く受けており、特に食習慣と恒常性維持は切っても切り離せない関係です。本体験コースでは、こういった環境要因に起因して変動する食品素材や個々人の代謝表現系を分析し、フィンガープリンティングとして捉える最新技術について体験していただくとともに、体験者自身における代謝物レベルでの「個性」について調べてみたいと思います。
具体的には、生体試料に含まれる代謝物を網羅的に調べることのできるメタボローム解析と、生体試料に含まれるミネラル成分(無機元素群)を網羅的に調べることのできるイオノーム解析を用いて生体試料を調べます。これらの方法を用いると、多種多様で膨大な代謝情報が得られますが、それをデータマイニングという方法を用いて調べることで、代謝物およびミネラルレベルでの特徴を捉えることができます。本研究室では、こういった分析・解析技術の利用と高度化により、将来的には健康状態の把握や病気の予防等に応用することを目指して研究を推進していますが、その一端として本体験コースでは以下の2つの実験を用意しました。これらの実験を通して生命の代謝を身近に感じていただくとともに、体験者自身の食生活や健康等をあらためて考える良い機会となれば幸いです。

1. 多様な食品に含まれる成分を分析してみよう

ユネスコの無形文化遺産に「和食」が登録されたのは記憶に新しいかと思いますが、みなさんが普段口にする食べ物には、食品素材ごとに「旬」の時期があり、私達が生きて行くために必要不可欠な有機物質やミネラルなど、様々な栄養素が含まれています。これらの栄養素は産地の違いや季節の移ろい等によって大きく異なり、結果的に食味の違いという表現系に影響を与えています。今回は、このような食品に含まれる代謝物やミネラル成分を実際に分析し、分子レベルでどのような違いがあるのかを調べます。魚類や海藻、植物などが代謝した代謝物を指紋認証のように捉えることで、それぞれの食品に含まれる代謝物レベルでの「個性」を比較してみましょう。

2. 体の個性を指紋認証のように捉えてみよう

ヒトは様々な食品素材から多種多様な栄養素を摂取し、その入力源に対して巧みに応答することで恒常性を維持しておりますが、複雑な代謝経路を経て産生される代謝物の組成や割合等は、摂取した食品素材の種類や個々人の健康状態等によって大きく変わってきます。今回は、栄養素摂取に対する応答の結果として表れる代謝表現系について、メタボローム解析やイオノーム解析、データマイニング手法を用いて調べながら、その多様なプロファイルからヒトそれぞれの個性を指紋認証のように捉えてみましょう。また、摂取した食べ物とその代謝表現系との関係性についても調べてみましょう。