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新しい薬剤設計のためのタンパク質X線結晶構造解析(5月25日)

プログラム担当研究室

  • 構造創薬科学研究室

 ペニシリンと呼ばれる抗生物質が実用化されてから60年以上経ちます。この薬のおかげで、多くの人が細菌による感染症から救われました。ペニシリンは、細菌の「細胞壁」を弱くして細菌を殺してしまいます。このメカニズムを分子・原子レベルの物質の立体構造を交えながらもう少し詳しく解説しましょう。ペニシリン(図1)は、細菌の細胞壁を作るタンパク質、ペプチドグリカン合成酵素(図2)に結合して、このタンパク質を働けなくしてしまいます。結果、細菌の細胞壁が薄く弱くなってしまい、細菌は浸透圧で破裂して死んでしまうのです。ヒトはこのタンパク質を持っていないため、ペニシリンはヒトへの毒性をあまり示しません。

抗生物質などの薬剤分子は、必ずタンパク質などの生体物質に結合することによって働きます。病原細菌だけが持ち、細菌の生存や増殖に重要なタンパク質の詳細な立体構造情報を得ることができれば、新しい薬剤設計にとても役立ちます。私達の研究室では、病原細菌やウイルスのタンパク質の立体構造をX線結晶構造解析という手法によって決定し、新規薬剤設計に貢献したいと考えています。

今回の体験コースでは、

1.実体顕微鏡を使ってタンパク質結晶を観察する。
2.X線装置を使ってタンパク質結晶にX線を照射し、回折イメージを撮影する。
3.データ解析用ソフトウェアを使ってX線回折イメージを解析したり、3D立体視メガネでタンパク質立体構造グラフィックスを観察する。

など、当研究室の装置類を実際に操作していただいて、タンパク質X線結晶構造解析のための最先端の研究環境を実感していただきます。