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腸管免疫と腸内細菌(5月11日)

プログラム担当研究室

  • 免疫生物学研究室

腸内細菌がどのようにしてヒトの腸管免疫系と相互作用(クロストーク)するのかについて体験していただくために、以下の3つの実験を用意しました。腸内細菌と宿主細胞の共生によって恒常性が維持されている"腸内環境"について、細菌側、宿主側、あるいはその両方からの視点で腸内環境を捉えることを目的とした実験です。あまり馴染みのない実験手法もありますが,当日は楽しく実験してみて下さい。当研究室のメンバーと一緒に過ごしていただいた時間が,少しでも皆さんのお役にたてれば幸いです。

病原菌感染時の宿主細胞の応答を見てみよう

病原菌が感染した際に、感染された細胞ではどのような免疫応答が起こっているのでしょうか。病原菌の多くが一番最初に感染するのは腸管上皮細胞ですが、これらの細胞は抗菌物質や種々のケモカインを分泌して、それら病原菌の感染に応答しています。今回は病原菌としてサルモネラ菌 (Salmonella typhimurium)、宿主としてCaco-2細胞 (ヒト大腸ガン由来の細胞) を用い、サルモネラ感染前後におけるCaco-2細胞のIL-8 (炎症性ケモカイン) の遺伝子発現量をReal Time PCR法を用いて比較してみましょう。(注:サルモネラ感染前後におけるCaco-2細胞のcDNAサンプルはあらかじめこちらで準備いたしますので、参加者が直接病原菌に触れることはありません。)

食べ物の影響による腸内細菌叢の変化を見てみよう

 皆さんは,食物繊維が「第6の栄養素」であることはご存知ですか?次に、腸内細菌叢に対する食物繊維の影響について調べてみましょう。
 あらかじめ2種類のマウス糞便サンプルが用意してあります。1つは市販のマウス用飼料を与えた場合の糞便サンプルです。もう1つは市販のマウス用飼料に植物から抽出した食物繊維を添加し、与えた場合のものです。食物繊維による腸内細菌叢への影響を観察するために,グラム染色を行います。染色によって青く染まった菌をグラム陽性菌,脱色後の染色でピンクに染まった菌をグラム陰性菌と呼びます。食物繊維によって,どのような腸内細菌叢の変化がみられるでしょうか。

腸管粘膜免疫応答に重要な細胞群を観察してみよう

 宿主の粘膜免疫系において,免疫応答のスタートに重要な細胞としてM細胞という抗原取り込み能が発達した細胞がいます。このM細胞による抗原取り込みを介して,パイエル板ではその後の免疫応答が誘導されます。それら腸管粘膜免疫応答に重要なM細胞や、パイエル板に存在し獲得免疫応答に重要なB細胞をそれぞれのマーカー分子を用いて免疫染色することでそれらの局在を観察しましょう。