生命医科学研究科 村上優貴さんが、第52回構造活性相関シンポジウムにてSAR Presentation Awardを受賞!
2025.01.14
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生命医科学研究科の村上優貴さんが、2024年12月12日(木)・13日(金)に川崎市産業振興会で開催された第52回構造活性相関シンポジウムにおいて、SAR Presentation Awardを受賞しました。おめでとうございます。
村上さんの発表についてご紹介します。
受賞者
生命医科学研究科 博士後期課程1年
生命情報科学研究室所属
村上 優貴 さん
指導教員慧
大学院生命医科学研究科/理学部
生命情報科学研究室 寺山慧 准教授
受賞内容
発表タイトル
「細胞膜透過性を考慮したPROTACリンカー生成AIの開発」
生命医科学研究科 博士後期課程1年
生命情報科学研究室所属
村上 優貴 さん
指導教員慧
大学院生命医科学研究科/理学部
生命情報科学研究室 寺山慧 准教授
受賞内容
第52回構造活性相関シンポジウム
SAR Presentation Award(ポスター発表)受賞
発表タイトル
「細胞膜透過性を考慮したPROTACリンカー生成AIの開発」
ー今回受賞した研究内容について村上さんに解説していただきました。
今回は、細胞膜透過性を考慮したPROTAC (proteolysis targeting chimera) リンカー生成AIに関する内容を発表しました。タンパク質分解誘導剤であるPROTACは、次世代型医薬品として注目されています。しかし、2つのリガンドとそれらを繋ぐリンカーで構成されるPROTACの分子量は、一般的な低分子医薬品と比べて大きくなってしまい、細胞膜透過性が低い傾向にあります。細胞膜透過性を含むPROTACの物理化学的特性は、リンカーの違いにより変化することが知られており、リガンドの組み合わせごとにリンカーを最適化する必要があります。そこで本研究では、当研究室で開発している分子構造生成AI ChemTSv2*1を拡張し細胞膜透過性向上を目指したPROTACのリンカー設計手法を開発しました (図1)。本手法を用いてPROTACのリンカー設計を試みたところ、細胞膜透過性の予測値が高いPROTACのリンカー設計に成功しました。本研究は、より優れた薬物動態を有するPROTAC開発への応用が期待されます。
(用語説明)
*1ChemTSv2:生命情報科学研究室で開発している分子生成AIで、薬から材料まで様々な機能性分子を設計可能
*1ChemTSv2:生命情報科学研究室で開発している分子生成AIで、薬から材料まで様々な機能性分子を設計可能
本受賞について、村上さんと指導教員の寺山先生からコメントをもらいました。
受賞者: 村上 優貴 さんのコメント
この度は名誉ある賞を頂き、大変光栄に思います。今回のシンポジウムでは、多くの方々から様々な角度でご意見をいただき、新たな視点や気づきを得ることができました。本研究の遂行や発表準備にあたりご指導いただきました、寺山先生をはじめとした生命情報科学研究室の皆様、共同研究者にこの場を借りて御礼申し上げます。今回の受賞を励みに、さらなる研究の発展に向けて精進してまいります。
指導教員:寺山 慧 准教授のコメント
村上さん、SAR Presentation Awardの受賞おめでとうございます!
この研究は、村上さんが本研究室に配属された当初から自身で構想していたテーマであり、近年非常に注目を集めている新しい創薬モダリティであるPROTACに関するものです。膜透過性については公共データが非常に限られているなど多くの困難がありますが、村上さんの研究がこのような形で評価されたことを、大変嬉しく思います。今後、この研究をさらに発展させてくれるものと大いに期待しています。
また、この研究は、国立医薬品食品衛生研究所 有機化学部の出水先生との共同研究です。いつも大変お世話になっておりますが、この場を借りて改めて感謝申し上げます。
この研究は、村上さんが本研究室に配属された当初から自身で構想していたテーマであり、近年非常に注目を集めている新しい創薬モダリティであるPROTACに関するものです。膜透過性については公共データが非常に限られているなど多くの困難がありますが、村上さんの研究がこのような形で評価されたことを、大変嬉しく思います。今後、この研究をさらに発展させてくれるものと大いに期待しています。
また、この研究は、国立医薬品食品衛生研究所 有機化学部の出水先生との共同研究です。いつも大変お世話になっておりますが、この場を借りて改めて感謝申し上げます。