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生命医科学研究科 創薬有機化学研究室 宮本真歩さんが、第61回ペプチド討論会でポスター賞を受賞!

2024.12.06
  • TOPICS
  • 研究
  • 学生の活躍
生命医科学研究科 博士前期課程1年 創薬有機化学研究室所属の宮本真歩さんが、2024年10月29日(火)~31日(木)に名古屋大学で開催された第61回ペプチド討論会にて「Efficient intracellular delivery of PROTAC using cell-penetrating peptides」について発表し、ポスター賞を受賞しました。
おめでとうございます!宮本さんの発表についてご紹介します。
受賞者
生命医科学研究科 博士前期課程1年
創薬有機化学研究室所属
  宮本   真歩みやもと まほ さん

指導教員
大学院生命医科学研究科
創薬有機化学研究室  出水 庸介 客員教授

受賞内容

第61回ペプチド討論会
ポスター賞


発表タイトル
「Efficient intracellular delivery of PROTAC using cell-penetrating peptides」

ー今回受賞した研究内容について宮本さんに解説していただきました。

PROTACは、標的タンパク質リガンドとユビキチンリガーゼリガンドをリンカーで結合したキメラ分子であり、新規モダリティとして期待されています。しかし、PROTACの乏しい水溶性や細胞膜透過性が課題となっており、これらの物性改善が求められています。細胞膜透過性ペプチド (CPP) は、薬剤の水溶性を高め、細胞内輸送キャリアとして有用であることから、物性改善の有望なアプローチと考えられます。そこで本研究では、PROTACの水溶性及び、細胞膜透過性の向上を目的に、CPPを導入したCPP-PROTAC開発しました。また、デキストラン硫酸との混合によりナノ粒子を形成し、細胞内取り込み経路を制御することでさらなる細胞膜透過性の向上を図りました。標的タンパク質分解活性評価の結果、CPP-PROTACは細胞内で活性状態となり、分解活性を示しました。さらに、デキストラン硫酸のアニオンに対するペプチドのカチオン数の比 (N/P比) の増加させることで、分解活性が向上することが明らかになりました。本研究で開発した手法は、PROTACとペプチド、そして核となる分子の3つを柔軟に組み替えることが可能です。そのため、今後は目的に応じた多様な組み合わせのデザインを展開し、新たな可能性を探求していきたいと考えています。

本受賞について、宮本さんと指導教員の出水先生からコメントをもらいました。

受賞者: 宮本 真歩 さんのコメント

この度、第61回ペプチド討論会においてポスター賞を受賞でき、大変光栄に思います。本研究の遂行や発表準備にあたりご指導いただき、いつも暖かく見守ってくださる出水先生をはじめ、日頃より私の研究活動を支えてくださっている有機化学部の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。発表では、多くの研究者の方々から貴重なご意見やご質問をいただき、その議論を通じて自身の研究の課題や展望を見出すことができました。この貴重な経験を糧に、今後研究により一層精進します。

指導教員:出水 庸介 教授のコメント

宮本さん、ポスター賞の受賞おめでとうございます!
普段は淡々と実験に取り組まれている印象の宮本さんですが、学会発表ではその優れたプレゼンテーション力と強いアピール力を存分に発揮され、多くの先生方に高く評価されたことと存じます。今回の受賞は、宮本さんの研究成果の一つの大きな結実であると同時に、さらなる成長への大きな励みになったのではないでしょうか。
この受賞を一つの力強いステップとして、これからのますますのご活躍を心より期待しています。

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