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生命医科学研究科 構造細胞科学研究室 永江 翼さんが、日本薬学会第144年会 でポスター賞を受賞!

2024.06.27
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生命医科学研究科 構造細胞科学研究室所属 博士前期課程2年の永江翼さんが、令和6年3月28日~31日にパシフィコ横浜で開催された日本薬学会第144年会において、「Molecular Glue Degradersの合理的設計へ向けた包括的データセットの構築」について発表し、一般学術発表 ポスター発表の部において、学生優秀発表賞を受賞しました。おめでとうございます!
永江さんの発表についてご紹介します。



受賞者
生命医科学研究科 博士前期課程2年
構造細胞科学研究室所属
永江 翼 ながえ  つばさ) さん

指導教員
大学院生命医科学研究科
構造細胞科学研究室 富井 健太郎 客員教授

受賞内容
日本薬学会 第144年会
学生優秀発表賞(ポスター発表の部)

発表タイトル
「Molecular Glue Degradersの合理的設計へ向けた包括的データセットの構築」

ー今回受賞した研究内容について永江さんに解説していただきました。

タンパク質分解医薬品(degraders)は、従来の分子標的薬では困難とされていたタンパク質に対するアプローチが可能であることから、近年注目されています。特に、Molecular Glue Degraders(MGDs)は、他のdegradersと比べて低分子量であり、膜透過性などに優れた薬理学的特性を有する可能性があります。しかし、MGDsは比較的新しい概念であり、合理的な設計を行うための手法やデータが不足しているのが課題です。
そこで本研究では、MGDsの合理的設計を可能にするため、包括的な新規データセットの構築とAI技術を活用したMGDs設計基盤の構築を目指しています。データセットでは、MGDsがタンパク質間相互作用(Protein-protein interaction; PPI)を安定化する分子であることに着目し、MGDsを含むPPI安定化剤およびその候補分子を網羅的に収集しました。さらに、AI技術を活用することを踏まえて、PPI阻害剤の情報を負例として収集することで、新規データセットを構築しました。
本発表では、このデータセットの作成方法と、現時点で得られたデータセットの解析結果とその考察について報告しました。本研究は初期段階ではありますが、MGDs設計に向けた新たな知見を提供できるものと考えています。

本受賞について、永江さんと指導教員の富井先生からコメントをもらいました。

受賞者: 永江 翼さんのコメント

 この度は、このような賞を受賞できましたことを大変光栄に思います。発表の際、想像以上に多くの方々に発表を聞いていただき、MGDsが注目されていることを実感いたしました。初めての学会発表でしたので、ポスター作成や発表準備で苦労もありましたが、このような素晴らしい賞を受賞できて大変嬉しく思います。評価していただいた先生方および学会関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
また、ご多忙の中、懇切丁寧にご指導くださいました富井先生、共同研究者として、また同じ富井研の仲間としても支えてくれた東京大学大学院生の宗田光平さん、本研究の遂行にあたりご支援くださいました産業技術総合研究所の椿さん、慶應大学/理化学研究所の池田先生に深く御礼申し上げます。
この経験と受賞を糧に、今後一層研究に精進してまいりたいと思います。
 

指導教員:富井健太郎客員教授のコメント

永江さん、学生優秀発表賞の受賞おめでとうございます。
初めての学会発表で緊張があったかもしれませんが、そうした中でも研究成果やポスター発表が評価されたことは大変喜ばしいことです。この受賞を励みに、今後の永江さんの研究の益々の発展を期待します。本研究は東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻の宗田光平さん、産総研の椿真史さん、慶應大/理研の池田和由先生との共同研究です。共同研究者として永江さんと本研究を支えていただき、ありがとうございました。ここに深く謝意を表します。

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