生命医科学研究科 生体膜ダイナミクス研究室 松下大輝さんが、第18回トランスポーター研究会年会 でポスター賞を受賞!
2024.07.02
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生命医科学研究科生体膜ダイナミクス研究室所属 博士前期課程1年の松下大輝さんが、令和6年6月1日、2日に、静岡県立大学草薙キャンパスにて開催された、第18回トランスポーター研究会年会において、「クライオ電子顕微鏡による尿酸輸送体GLUT9の構造解析」について発表し、ポスター発表の優秀発表賞を受賞しました。おめでとうございます!
松下さんの発表についてご紹介します。
松下さんの発表についてご紹介します。
受賞者
生命医科学研究科 博士前期課程1年
生体膜ダイナミクス研究室所属
松下 大輝 さん
指導教員
大学院生命医科学研究科
生体膜ダイナミクス研究室 西澤知宏 教授
受賞内容
第18回トランスポーター研究会年会
学生優秀発表賞(ポスター発表)
発表タイトル
「クライオ電子顕微鏡による尿酸輸送体GLUT9の構造解析」
生命医科学研究科 博士前期課程1年
生体膜ダイナミクス研究室所属
松下 大輝 さん
指導教員
大学院生命医科学研究科
生体膜ダイナミクス研究室 西澤知宏 教授
受賞内容
第18回トランスポーター研究会年会
学生優秀発表賞(ポスター発表)
発表タイトル
「クライオ電子顕微鏡による尿酸輸送体GLUT9の構造解析」
ー今回受賞した研究内容について松下さんに解説していただきました。
ヒトの尿酸値は腎臓による尿酸の排泄と再吸収により一定の濃度に保たれています。腎臓には尿酸を輸送する複数の膜タンパク質が発現しており、それらの協調的な働きが尿酸値の調節に役立っています。そのため、尿酸値を下げる薬の一つである尿酸排泄促進薬は膜タンパク質の尿酸輸送体群(GLUT9、URAT1など)を分子標的としており、薬剤開発の面で注目されています。しかし、既存の薬剤 (ベンズブロマロンやプロベネシドなど)の開発は生理的評価を基にした網羅的な検討と薬効評価に頼っているのが現状です。尿酸排泄促進薬には肝毒性の副作用が報告されたものもあり、合理的な薬剤開発が求められています。
そこで、本研究では、クライオ電子顕微鏡を用いて尿酸輸送体GLUT9の構造を解明することで、尿酸や各種薬剤の認識機構を明らかにすることを目指しました。基質や薬剤の結合様式の構造解明は合理的な薬剤設計のための情報を提供することにも繋がります。また、GLUT9は糖輸送体ファミリーに属していながら、尿酸を輸送基質とすることから、分子進化的にも非常に興味深い輸送体であります。
これまでの研究で、尿酸結合型GLUT9の構造解明に成功しました。本学会では、GLUT9の構造的特徴と尿酸の認識機構を発表し、研究の展望について議論しました。
本受賞について、松下さんと指導教員の西澤先生からコメントをもらいました。
受賞者: 松下 大輝さんのコメント
この度は数ある発表の中から、名誉ある賞を受賞できたこと、大変うれしく思います。西澤教授、李助教を初め、ラボの方々のご指導のおかげです。心より感謝申し上げます。本学会には尿酸輸送体を研究されている方も参加されており、構造面以外にも多方面から活発な議論をすることができました。共同研究で関わらせていただいている研究者の方にもお会いすることができ、学会ならではの研究者の繋がりを感じることができました。来年度も参加して新たな成果を報告できるよう頑張りたいです。
指導教員:西澤知宏教授のコメント
受賞おめでとうございます!トランスポーター研究会は、膜輸送体の薬理学、生理学的な研究をされている方も多い研究会なので、松下君の研究が幅広い分野から注目されていることを示しているのではないかと思います。多くの人に研究内容を発表して、様々な意見をもらうことは非常に重要な機会ですので、今後も積極的に学会や、研究会に参加して交流を深めてもらえればと思います。また、この研究会には多くの学生、若手研究者も参加していますので、ぜひ、一緒になって膜輸送体の研究分野を盛り上げていってください。