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生命医科学研究科 伊藤貴仁さんが日本薬学会の第143回年会において学生優秀発表賞を受賞

2023.05.19
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生命医科学研究科 伊藤貴仁さんが日本薬学会の第143回年会において学生優秀発表賞を受賞

生命医科学研究科 博士後期課程2年(創薬有機化学研究室所属)の伊藤貴仁さんが2023年3月25日(土)~28日(火)に北海道大学で開催された日本薬学会 第143年会の一般学術発表(ポスター発表)にて「組織選択的キャリア開発を目的としたヘリカルペプチドのデザイン」について発表し、学生優秀発表賞を受賞しました。 
受賞者
生命医科学研究科 博士後期課程2年
創薬有機化学研究室所属
伊藤いとう 貴仁  たかひとさん

指導教員
生命医科学研究科 出水庸介客員教授

受賞内容
日本薬学会第143回年会
学生優秀発表賞(ポスターの部)

発表タイトル 

「組織選択的キャリア開発を目的としたヘリカルペプチドのデザイン」 
—今回受賞した論文の研究内容について伊藤さんに解説していただきました。
薬剤は副作用の回避のために必要とする組織に蓄積することが望ましく、その戦略のひとつとして組織選択的に薬剤を輸送できるキャリア分子を薬剤とコンジュゲートさせる手法があります。例として、GalNAc(N-アセチルガラクトサミン)を3分子含むTri-GalNAcと呼ばれるキャリア分子は肝細胞のみに発現する受容体を介して肝臓に蓄積する性質があり、実際に上市されている核酸医薬品のデリバリーに用いられています。近年ではTri-GalNAcに抗体を結合させた分子を用いたタンパク質分解誘導剤への応用も報告されています。一方で、Tri-GalNAcは分子の自由度が高いためか受容体に対する親和性が高くありません。
本研究では分子の自由度が制限されるヘリックスを形成するペプチドの側鎖にクリック反応を用いてGalNAcを導入することでより効率が高いキャリア分子の開発を目指しました。GalNAcの数や導入位置を変更したペプチドを設計し、Tri-GalNAcと比較して最大7倍程度の細胞内取り込み効率を示すペプチドを見出しました。また、取り込み経路も受容体を介していることも明らかにしました。本成果はタンパク質分解誘導剤への応用を念頭に設計したものでありますが、肝臓選択的なキャリア分子としての応用も見込めます。また、GalNAcの代わりに別のリガンドをペプチドに導入することで他の組織に対するキャリア分子の開発も期待されます。 
伊藤 貴仁 コメント
この度、日本薬学会第143回年会において優秀発表賞を受賞でき光栄に思います。3年ぶりの現地開催でポスター発表の感覚を忘れかけていましたが、相手を見ながらの説明やディスカッションができオンサイトの良さを改めて実感できました。私のテーマはLYTACと呼ばれる細胞外のタンパク質を分解するタンパク質分解誘導剤の開発であって、発表内容はあくまで通過点に過ぎません。ですが、このテーマにおける重要な箇所と位置付けており、一山を超えて成果が評価されたことを嬉しく思います。本研究の遂行においてご支援賜りました、出水先生を始めとする研究室の皆様とデータ思考イノベーティブ人材フェローシップの担当者に御礼申し上げます。 
指導教員 出水 庸介大学院客員教授のコメント
伊藤さん、優秀発表賞の受賞おめでとうございます!
本研究は2022年4月より開始しましたが、僅か1年で学術上注目すべき研究成果を挙げてくれました。薬学会年会でのポスター発表の部において、研究成果が評価されたことは、大きな喜びと刺激になったと思います。
今回の受賞を糧にして益々の発展を期待しています。 
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