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第50回構造活性相関シンポジウムにて理学部4年 星野小百合さん、生命医科学研究科 吉澤竜哉さんが同時受賞!

2023.01.11
  • TOPICS
  • 研究
  • 学生の活躍

第50回構造活性相関シンポジウムにて理学部4年の星野小百合さんと生命医科学研究科の吉澤竜哉さんが同時受賞!

理学部4年の星野小百合さんと生命医科学研究科の吉澤竜哉さんが、2022年11月10日(木)・11日(金)にオンラインで開催された第50回構造活性相関シンポジウムにおいて、SAR Presentation Awardを受賞しました。

SAR Presentation Award(ポスター発表)受賞

受賞者
理学部 4年
星野(ほしの) 小百合(  さゆり)さん

指導教員:大学院生命医科学研究科
生命情報科学研究室 寺山慧准教授

発表題目
短時間MDシミュレーションによるリガンド-タンパク質結合親和性推定手法の検討

発表内容

—今回受賞した論文の研究内容について星野さんに解説していただきました。

医薬品開発において、リガンド-タンパク質間の結合親和性を推定することは非常に重要です。しかし、予測精度と計算コストはトレードオフの関係にあり、両立することは難しいとされています。両立を目指した推定手法の1つとしてドッキングシミュレーション後に短時間分子動力学(MD)シミュレーションを実施し、安定性を評価する手法が知られていますが、どのような安定性評価指標が優れているかの評価はまだ不十分で、また計算コストも小さくありません。
そこで本研究では、短時間MDシミュレーションを実施後、リガンドRMSD(Root Mean Square Deviation)やリガンド-タンパク質相互作用エネルギーといった安定性評価指標について網羅的に比較し、それらの精度を検証しました。さらに、計算コスト削減を目指し、強化学習手法の1つであるm-Best Arm Identification (m-BAI)の枠組みを導入しました。
複数のタンパク質ターゲットに対し計算を行った結果、本研究におけるデータセットの範囲では、リガンド-タンパク質相互作用エネルギーが短時間での評価に有効であることが分かりました。また、m-BAIを導入することで、計算量を削減した場合であっても精度を維持できることが分かりました。今後は、実際の創薬分野での問題に即したより大規模なデータセットを対象に検証と手法開発を展開し、さらなる精度向上と計算コストの削減を目指したいと考えています。

星野さんの受賞コメント

この度は名誉ある賞を頂き、大変光栄に思います。研究や発表準備にあたりご指導いただきました、寺山准教授をはじめ、生命情報科学研究室、共同研究者の皆様に、心より感謝申し上げます。本シンポジウムは私にとって初めての学会発表の場であり、当日は沢山の専門家の方々との議論を通して多くの学びを得ることができました。一方で、自身の勉強不足を改めて痛感しました。今回の貴重な経験を糧に、今後も研究活動に精進していきたいと思います。

SAR Presentation Award(口頭発表)受賞

受賞者
生命医科学研究科 博士前期課程1年
生命情報科学研究室所属
吉澤(よしざわ) 竜哉(  たつや)さん

指導教員:大学院生命医科学研究科
生命情報科学研究室 寺山慧准教授

発表題目
強化学習に基づく分子生成手法を用いたキナーゼ選択的阻害剤の設計

発表内容

今回、吉澤さんが受賞した論文の研究内容については以下のページにて解説されていますのでご覧ください。
http://www.tsurumi.yokohama-cu.ac.jp/news/20221124yoshizawa.html

吉澤さんの受賞コメント

この度は名誉ある賞を頂戴し、大変光栄に存じます。ご評価くださいました先生方、並びに日本薬学会構造活性相関部会の先生方に厚く御礼申し上げます。また、本研究を実施するにあたりご指導賜りました、寺山慧准教授、石田祥一特任助教、共同研究者の先生方にも改めて深く感謝申し上げます。発表では、研究内容に対して多様な観点からご意見をいただき、新たな気づきや学びを得ることができました。また議論を通じて研究に対する意欲も高まり、非常に意義深い時間となりました。今後は今回の受賞を励みに、研究活動により一層精進したいと思います。

指導教員:寺山慧准教授のコメント

星野さん、吉澤さん、SAR Presentation Awardの受賞おめでとうございます!
星野さんの研究は、分子動力学シミュレーションに基づくインシリコ創薬と機械学習の2つの分野を融合するもので、両分野を学び・研究するのは大変苦労があったかと思います。今回の受賞を糧にさらに研究を深めていって頂くことを期待しています。
吉澤さんの研究は、学部生の時から継続している課題で、今回は口頭発表での受賞ということで普段から鍛えているプレゼンテーション力が遺憾無く発揮された成果かと思います。こちらの研究もさらに発展させて頂けるものと期待しています。
また、どちらの研究も多数の共同研究者の先生方から多くのサポート頂いたものです。この場を借りて深く御礼申し上げます。
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